臨床薬理研究振興財団40年のあゆみ
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公益財団法人 臨床薬理研究振興財団理事長森田 清 40周年を迎えるに当たり一言ご挨拶申し上げます。 臨床薬理研究振興財団(以下「本財団」)は、昭和50年9月25日に設立され、本年度設立40周年を迎えることが出来ました。これもひとえに歴代の財団役員、評議員ならびに選考委員、編集委員等の先生方のご尽力、研究奨励金等助成金を受けられた先生方のご活躍そして日本臨床薬理学会や出捐会社であります第一三共株式会社(旧:第一製薬株式会社)をはじめとする多くの皆様のご支援とご協力の賜物と深く感謝申し上げます。 本財団の使命は、橋渡し研究(Translational Research)を積極的に支援、助成し、臨床薬理学の普及と臨床薬理研究者の育成を通じ、医学、薬学の発展と国民の保健衛生、福祉の向上に貢献することですが、設立趣意書一節に「基礎、臨床の科学的橋渡しとしての臨床薬理学の重要性が認識され、その拡充、発展が要望されるに至っております。」と記載されており、40年前既に「橋渡し研究」の重要性が謳われています。 今日、臨床研究や創薬を取り巻く環境は大きく変化しており、ゲノム解析時代からiPS細胞を用いた各種疾患の解明や創薬への応用、また、行政面では独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の充実、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)新設に伴い、アカデミアにおける臨床研究の拡充のみならず、大学等における基礎研究の成果と企業等における応用研究や臨床研究に関する活動を組み合わせる産学協同の充実による創薬への期待が高まってきております。 わが国における臨床薬理学は、薬物療法の個別化治療や適正化を実現するための学問としての地位を確立し、日本臨床薬理学会臨床薬理専門医や認定薬剤師も、逐次増加し、本学問の発展に貢献されております。 以上のように、わが国における橋渡し研究を含め、臨床研究や創薬の重要性が高まる今日、本財団の果たす役割は大きく、今後も設立趣旨に則り、臨床薬理学の普及と臨床薬理研究者の育成に寄与できますよう心して充実した活動を継続して参りますので、皆様方のなお一層のご指導並びにご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。は じ め に

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